久米繊維工業 相談役 久米 信行「Tシャツ道」日記 | 経営者会報 (社長ブログ)
オーガニックコットンなど厳選素材で謹製した最高級国産Tシャツに世界で1枚のプリントを!老舗メーカー三代目の第二創業記
祖父母は21年ぶりの、そして最後のお遍路に
昨日、祖母とよが....おばあちゃんが急逝しました。
弟から危篤の第一報を聞いた時は、
玉の肌石鹸の三木社長様とのお約束で
初訪問をして、まさにお目にかかる寸前でした。
その後も、日経パソコン主催セミナーの講師、
デザインガーデンTシャツアワードの審査員、
墨田区と姉妹都市北京石景山区の交流会と
予定が続いています。
公職ゆえ、抜けるのもままなりません。
審査会が終わって電話をすると、
まだ小康状態との連絡を聞いて
ほっとしました。
しかし、交流会場のホテルについた直後に、
「今亡くなった」と連絡が届きました。
その旨、受付の墨田区役所の方にお伝えして
平謝りでその場を後にしました。
残念ながら、おばあちゃんのもとにかけつけると
既にお化粧が終わった後でした。
冷たい手。
息子と一緒にそっと触ります。
自宅を急いで一往復して、今戻った母は、
おばあちゃんから「死んだら着せて欲しい」と
頼まれていた死に装束を取り出しました。
それは、21年前に亡くなったおじいちゃんと一緒に
四国八十八ヶ所をお遍路して歩いた時の白装束でした。
八十八カ所の札所の御朱印が捺されています。
その時、私は白装束の側に置かれていた
「四国遍路の手引」という経本を見つけました。
叔母たちに「この経本を形見にいただいて良いか」
尋ねました。
それには訳があります。
自分でもなぜかはわからないのですが、
数ヶ月前から、お昼に会社にいる時には、
仏壇の前に座るようになっていました。
今まで、そんな気持ちになったことは
ありませんでした。
おじいちゃんの遺影の前で
おばあちゃんがそらんじていた
般若心経や光明真言をあげるのが、
いつしか習慣になっていたのです。
この経本を見た瞬間に、
これでお経をあげたいと感じました。
さらに、巻末に亡き祖父の署名を見つけて
胸が締め付けられるような気分になりました。
おそらく、おばあちゃんも
このお経をお棺に入れることが
できなかったのでしょう。
ますます、このお経は仏壇の前に置かねば、
読んであげなくてはという気持ちになったのです。
祖母とよは大正4年生まれでした。
92歳でしたから大往生かもしれません。
4年前の夏にベッドから落ちて骨折、入院してからは
寝たきりの暮らしになりました。
病院を転々としながら、日本の介護の厳しい現実を
目の当たりにしました。
要介護度5の認定を受けてからは、縁あって
学芸大学のしまナーシングホームのお世話になりました。
(今夜のお通夜にも来てくださいました。
長い間大変お世話になりました。
ありがとうございました。)
私も子供を連れて、時々お見舞いにでかけました。
時に幻覚が見えるなど、親子して怖いと思うことも
ありましたが、やがてそれにも慣れました。
むしろホームと病院の行き来を繰り返すなど
少しずつ弱ってゆく おばあちゃんの姿を見るのがつらいのでした。
院内感染の話などもあって、
幼い子供を連れていくことを叔母に止められ
しばらくはお見舞いの足が遠のいていました。
そんな矢先....
先週、日本財団CANPANブログ大賞で
グランプリ受賞「介護ひまなし日記」の
永和 里佳子さんにお会いしました。
審査委員会の時にも、感動的なブログ記事を拝読しながら、
思っておりました。
あの厳しく忙しい介護の現場にいながら
どうしてこんなに優しい気持ちでいられるのだろう。
そして、永和 里佳子さんのお話を伺って
本当に驚きました。そして泣けてきました。
うまく言葉では言い表せませんが、
永和さんが...聖なる慈母に見えたのです。
102歳の認知症のおばあちゃんの話を聞いた時、
私のおばあちゃんのことが思い出されました。
今思うと、おばあちゃんは
永和さんを通じて何かを伝えたかったのでは
とさえ思うのです。
永和さんからは、謙虚にして優しい
メールやコメントまでいただきました。
それはブログ大賞のお礼メールでした。
いつもならすぐお返しするところですが、
なぜか数日返信をしないでおりました。
そして、今日、ご返信をした時に、
どうしても祖母のことを話したくなりました。
それは、不思議でありがたいご縁を
感じていたからです。
永和さんが働く認知症高齢者専用グループホーム
ともの家は愛媛の松山にあるそうです。
祖母が手首につけていたピンク色の念珠は、
私が昨年、愛媛大学で講師を勤めた際に、
松山にある51番札所石手寺で買い求めたものでした。
その可愛らしい色の石でできた念珠を
おばあちゃんにお土産で渡した時、
とても嬉しそうだったことを思い出します。
そして今、おじいちゃんとおばあちゃんの形見となった
四国遍路の手引の奥付を見て驚きました。
これは松山市にある伊予鉄道謹製だったからです。
きっと、おばあちゃんの魂は、
しばし東京の下町や生まれ故郷の御殿場を
漂い楽しんだ後で、
おじいちゃんの魂とどこかで合流しながら
四国へと、もう一度お遍路の旅へと
向かうのでしょう。
ひょっとしたら、来年のゴールデンウイークあたりに
砂浜美術館で落ち合えるかもしれません。
そう、ひ孫たちと一緒にあるいた
あの砂浜で....。
合掌。
弟から危篤の第一報を聞いた時は、
玉の肌石鹸の三木社長様とのお約束で
初訪問をして、まさにお目にかかる寸前でした。
その後も、日経パソコン主催セミナーの講師、
デザインガーデンTシャツアワードの審査員、
墨田区と姉妹都市北京石景山区の交流会と
予定が続いています。
公職ゆえ、抜けるのもままなりません。
審査会が終わって電話をすると、
まだ小康状態との連絡を聞いて
ほっとしました。
しかし、交流会場のホテルについた直後に、
「今亡くなった」と連絡が届きました。
その旨、受付の墨田区役所の方にお伝えして
平謝りでその場を後にしました。
残念ながら、おばあちゃんのもとにかけつけると
既にお化粧が終わった後でした。
冷たい手。
息子と一緒にそっと触ります。
自宅を急いで一往復して、今戻った母は、
おばあちゃんから「死んだら着せて欲しい」と
頼まれていた死に装束を取り出しました。
それは、21年前に亡くなったおじいちゃんと一緒に
四国八十八ヶ所をお遍路して歩いた時の白装束でした。
八十八カ所の札所の御朱印が捺されています。
その時、私は白装束の側に置かれていた
「四国遍路の手引」という経本を見つけました。
叔母たちに「この経本を形見にいただいて良いか」
尋ねました。
それには訳があります。
自分でもなぜかはわからないのですが、
数ヶ月前から、お昼に会社にいる時には、
仏壇の前に座るようになっていました。
今まで、そんな気持ちになったことは
ありませんでした。
おじいちゃんの遺影の前で
おばあちゃんがそらんじていた
般若心経や光明真言をあげるのが、
いつしか習慣になっていたのです。
この経本を見た瞬間に、
これでお経をあげたいと感じました。
さらに、巻末に亡き祖父の署名を見つけて
胸が締め付けられるような気分になりました。
おそらく、おばあちゃんも
このお経をお棺に入れることが
できなかったのでしょう。
ますます、このお経は仏壇の前に置かねば、
読んであげなくてはという気持ちになったのです。
祖母とよは大正4年生まれでした。
92歳でしたから大往生かもしれません。
4年前の夏にベッドから落ちて骨折、入院してからは
寝たきりの暮らしになりました。
病院を転々としながら、日本の介護の厳しい現実を
目の当たりにしました。
要介護度5の認定を受けてからは、縁あって
学芸大学のしまナーシングホームのお世話になりました。
(今夜のお通夜にも来てくださいました。
長い間大変お世話になりました。
ありがとうございました。)
私も子供を連れて、時々お見舞いにでかけました。
時に幻覚が見えるなど、親子して怖いと思うことも
ありましたが、やがてそれにも慣れました。
むしろホームと病院の行き来を繰り返すなど
少しずつ弱ってゆく おばあちゃんの姿を見るのがつらいのでした。
院内感染の話などもあって、
幼い子供を連れていくことを叔母に止められ
しばらくはお見舞いの足が遠のいていました。
そんな矢先....
先週、日本財団CANPANブログ大賞で
グランプリ受賞「介護ひまなし日記」の
永和 里佳子さんにお会いしました。
審査委員会の時にも、感動的なブログ記事を拝読しながら、
思っておりました。
あの厳しく忙しい介護の現場にいながら
どうしてこんなに優しい気持ちでいられるのだろう。
そして、永和 里佳子さんのお話を伺って
本当に驚きました。そして泣けてきました。
うまく言葉では言い表せませんが、
永和さんが...聖なる慈母に見えたのです。
102歳の認知症のおばあちゃんの話を聞いた時、
私のおばあちゃんのことが思い出されました。
今思うと、おばあちゃんは
永和さんを通じて何かを伝えたかったのでは
とさえ思うのです。
永和さんからは、謙虚にして優しい
メールやコメントまでいただきました。
それはブログ大賞のお礼メールでした。
いつもならすぐお返しするところですが、
なぜか数日返信をしないでおりました。
そして、今日、ご返信をした時に、
どうしても祖母のことを話したくなりました。
それは、不思議でありがたいご縁を
感じていたからです。
永和さんが働く認知症高齢者専用グループホーム
ともの家は愛媛の松山にあるそうです。
祖母が手首につけていたピンク色の念珠は、
私が昨年、愛媛大学で講師を勤めた際に、
松山にある51番札所石手寺で買い求めたものでした。
その可愛らしい色の石でできた念珠を
おばあちゃんにお土産で渡した時、
とても嬉しそうだったことを思い出します。
そして今、おじいちゃんとおばあちゃんの形見となった
四国遍路の手引の奥付を見て驚きました。
これは松山市にある伊予鉄道謹製だったからです。
きっと、おばあちゃんの魂は、
しばし東京の下町や生まれ故郷の御殿場を
漂い楽しんだ後で、
おじいちゃんの魂とどこかで合流しながら
四国へと、もう一度お遍路の旅へと
向かうのでしょう。
ひょっとしたら、来年のゴールデンウイークあたりに
砂浜美術館で落ち合えるかもしれません。
そう、ひ孫たちと一緒にあるいた
あの砂浜で....。
合掌。
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