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詩人類 T-shouts!の初ライブで仰天。日本語と声と体が秘めた力

投稿日時:2006/09/14(木) 14:00rss


詩人類 T-shouts!

9/11の夜、私たちのプレスルームで
詩人類 T-shouts!の初ライブが開催されました。

当日取材してくださった小山 真理さんが
エキサイトのexciteニュースでご紹介くださった記事を
ご覧いただいた方も多いでしょう。

若き詩人 桑原滝弥さんとの運命的な出会いで、
すぐさま何か一緒にやろう!と盛り上がったものの、
実際にライブを見るのは、私も初めてだったのです。


桑原滝弥さんの作品

桑原さんがマイクを持ち、最初の声を発した瞬間、
場内は緊張に包まれました。

谷川俊太郎さんの優しい朗読しか知らない私にとって、
それは、耳...というより、心臓をざわつかせる
嵐の前触れのように思えました。

いつもの温和でひょうきんな
桑原さんのお人柄とはまるで別人。

自らの詩集を片手に
マイクに向かって1人叫ぶ姿は、
まだモノラルで録音されていたころの
ロックやブルースシンガーのようでした。

そこで朗読された「花火焼」は
何度も私が繰り返し呼んだものでしたが、
明らかにそこに宿った言霊は未知のものでした。

これ以上、言葉を継ぐのは野暮でしょう。
言葉でありながら言葉にできない何か。


マスイジュウさんの作品

続いてステージに立った
マスイジュウさんはスカート姿

半透明のサンバイザーで隠した額には、
電光掲示板のデジタル文字が浮かび、流れています。

マッドシティ(松戸市)から来た謎の生命体の胸には
リラックマのポシェット

その詩が書かれているのは
ジャポニカ学習帳

どこの時代にも場所にも属さないような
不思議なビートにのって、

時に意味明解、時に意味不明の
言葉の断片が淡々と刻まれていくのです。

そして、トドメは...インド行きたい...。


里宗巧麻さんの作品

里宗巧麻さんは、プロジェクターで壁面に
縦書きの日本語を流しはじめました。

それは、失われ行く言語と文化に
深い敬意を捧げたレクイエム

今、こうしている間にも
失われていく言葉たち

パソコンに宿った
もう1人の自分との掛け合いで、

忘れ去られようとしている
言の葉たちに最後の光を与えました。

そして....この満月の夜

今にも生まれようしている
里宗さんの分身が

いまかいまかと待つ母体にめがけて
会場から走り去っていったのです。


神田京子さんの作品

そしてトリを勤めたのは....
神田一門の講談師神田京子さん

和服もキリリの講談師が
にわかづくりの高座に上がると、

さあ、もう、そこは神田京子ワールド。

はじめて聞く生講談の
耳に心地よいメロディの数々と
七五調、時々パパンのリズムで

これまでの詩人類力で硬直した
身心の緊張がゆるりとほぐれます。

誰もが知っている童話の講談
私が聞いてもわかる英語の講談

そして....「沈魚落雁閉月羞花」の
名フレーズが登場する
那須の与一の弓さばきの一節

あれよあれよと
言の葉に踊らされた私たちが、

あーれーと
着物をくるくるほどかれた
神田京子さんの背中に見たのは

おお「沈魚落雁閉月羞花」の八文字

お見事!


この四人四様の不思議なライブに、
どのような方々がいらっしゃるか
興味しんしんでありましたが....

いらっしゃった縁者の中には、

産総研の客員研究員として、超難解な論文
脳の知識処理構造の考察;人間の行動は如何にして決定されるか
を書かれた豊田 誠さんや、

茶道や能にも造詣の深い椿建築デザイン研究所椿 邦司さん
ライブを楽しんでくださったのが
何より嬉しかったのです。


ライブの後、
桑原さんと神田さんをお送りがてら
北斎茶房のちゃぶ台を囲んで夕餉

シラス釜飯やらキナコかき氷やら
賞味したのですが....

ここでのとびきり楽しいお話は
とびきり楽しいお話にありがちなように
とびきり楽しい幸せな感じだけ残して
かき氷のように溶けて
お腹に染み入ってしまいましたとさ。


もちろん、4人のTシャツは
個人的に(定価で)買い求めて
サインをいただきました。

10年後振り返ったときに、
ああ、あのときがはじまりだったねと楽しめるように、

それを着て、また同じメンバーのライブを
楽しめるように


4人の詩人のみなさま
お手伝いいただいたスタッフと社員のみなさま
本当にありがとうございました。

次回、11月11日が今から楽しみです!


 ▼詩人類 T-shouts!
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久米 信行縁尋奇妙
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