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大地の芸術祭~越後妻有アートトリエンナーレ:私的詩的笑顔10作品

投稿日時:2006/09/08(金) 11:08rss

 ようやく念願かなって....
 週末強行軍で巡礼してまいりました。
 大地の芸術祭~越後妻有アートトリエンナーレ

 まわりにまわった130作品

Tシャツについては、オールアバウトの、
ブログ活用については、日経ITproWatcher
連載コラムで、既にご紹介いたしておりますので、

今回は、新潟県庁「2006大地の芸術祭サイト」の写真とデータを基に
極私的に面白かったところをいくつかご紹介。

(作品番号順、半分しか回れていないのでご容赦あれ)

アートうんぬんではなく、
誰でも理屈なく楽しめるところを中心に。

といっても、今週末に閉会してしまうのですが....残念。



■No.9 戸高千世子
スパイラル・ワーク




稲田を抜けて、木道通って、
ちょいと登ると目の前に開ける幻想。

不規則に、そして優美に、
ゆーらと水の上をすべる
白い壷たちの不思議

なにより素敵だったのは
ベンチにすわって微笑む人たちと

そこで静かにお話をする
作家 戸高さんの笑顔


■No.58 菊池歩
こころの花-あの頃へ




名も無い山の中にひっそり咲くビーズの花たち。

村人がひとつずつ作り続けた心の花。

昼間もきれいだけれど、
ライトアップされるとさらに不思議。

決して自らは光らない。
控えめな控えめな隠光植物。


■No.82 レアンドロ・エルリッヒ
妻有の家




一見するとフツーの家。でも実は鏡が結んだ虚像なのです。

神社の境内に、家の壁面が横たわっていて、
その前に直角に鏡がそびえたっています。
その鏡に家が写っているのでありました。

ですから、横たわる壁面をよじ登ったり
窓枠にぶら下がったりすれば...

ほーら、ちょっとしたスパイダーマン気分、
ジャック・バウアー感覚


■No.83 杉浦久子+杉浦友哉 昭和女子大学杉浦ゼミ
幸(ユキ)のウチ




空き地にレースがはりめぐらされていて
ちょっとした蜘蛛の巣いや雲の巣ラビリンス

何にもない路地裏だけど、
レース越しに見る青空や、
地震にも耐え抜いた木を見ていると
なんだかいい気分


■No.154 池田光宏
ポップアップ・プロジェクト・足滝バージョン




台に上って穴から顔を出す。
何が見えるかな。あ、カメラ。

見えるのではなく見られている。
間抜けなお顔を見られている。

首なしの無防備な体を見られてる。

うれしはずかし。


■No.174 木村崇人
星の木もれ陽プロジェクト




クレーンの先、夜空に浮かぶ星型の人工太陽。
そこからこぼれる、星型の木漏れ日を集めよう。

星取り網をもって、暗闇の林を歩こう。

やがてまばゆい太陽に照らされた
光の広場が見えてくる。

そこに、そっと星取り網の白いスクリーンをかざすと
あああ、星がいっぱい。いくらでもとれる。


■No.198 前田光彦
光りの巣」-A Light Nest 2006




名も無き小山のブナ林、
その頂上にひっそりと立つツリーハウス。

ハーネスつきではしごを上って
光の巣にアタマを突っ込むと....

おお、複眼の光。
竹で出来た蜂の巣ごしの光。


■No.301 橋本典久+scope
life-size




人間サイズに、スーパーリアルに拡大された昆虫たち。

きれいなちょうちょが、こんなに毛深いって知ってました?

スズメバチにこんなに近寄ってみたことあります?

あ、でも、ミヤマクワガタだけは、
よーく観察したことがあったのでイメージ通り。


■No.314 阪田清子
残華-松之山分校




廃校プロジェクトはいくつもあって、
どれもみんな素敵だったけれど、

一番余韻が残ったのは、
この静かな作品。

この教科書の影のひとつひとつに、
その持ち主の学校時代の思い出が
浮かび上がっているのですもの。


■No.329 クリスチャン・ボロタンスキー+ジャン・カルマン
最後の教室




忘れられた廃校です。

真っ暗な体育館は藁の匂い。扇風機がぐうるぐる。
まばゆい廊下の向こうも巨大扇風機がぐうるぐる。

怖いのは理科室。
なにかがいる。生きている。

どっくんどっくんと巨大な鼓動。
合わせてランプも明滅して、

廃校の鼓動はとまらない。


■ご宿泊は....
植木屋旅館




1千万年前の海水が湧き出した緑のとろーり湯。
ちょっとしょっぱい。なめたらこわい。

傾いた木の湯船。ぬーるぬる。

露天風呂も、こわきもちいい。
なにもない。ただのおふろ。

ただのごはんがおいしい。
棚田でつくったおコメがありがたいです。


■ご宿泊は...
夢の家




赤い部屋、緑の部屋に...
赤い着ぐるみ寝袋、緑の着ぐるみ寝袋を着て...
ひとりずつ...棺おけみたいなベッドに入る

かたわらには「夢の本」
果たしてどんな夢を見る?

赤い部屋だと元気がでるらしい。
ほんとかな?

(大人気で泊まれず見学のみでした)


■はらぺこランチは...
津南たからやの大名カツ丼


これがおいしい。

あまい。うまい。
下町の天丼より甘い。

メタボリックな味わい。

でもとまらない。
たまらない。

780円。





キナーレで、北川フラムさんに偶然お会いして始まり
キナーレで、ひとっ風呂あびて終わった駆け足巡礼

楽しかった!

空も山も棚田も川も、
そして家々も暮らす人も
まるごと美しかった!

また行きたいな。ゆっくりと。妻有。

北川さん、作家のみなさん、地元のみなさん
素敵な時空をありがとうございました。

2009年も必ず巡礼します。
あの時間差レターもとりにいかなくては...




 ▼現代アート道楽の日々「大地の芸術祭リンク集」
  http://blog.goo.ne.jp/pizz/e/10612a2c771e9ee1fb1c6f71e47a7709


久米 信行縁尋奇妙
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