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2007年09月20日(木)更新

【明大生との毎週一問百答】「社長ならではの辛いこと」

<質問>
社長ならではの、「辛いこと」ってなんですか?

(東洋大学経営学部の渡辺麻貴さん)


既に寺田社長、庄山社長がおっしゃっている通り
「辛いことだらけ」です。

いただいたご質問の前に
「中小企業のオーナー」....とつけますと

さらに、私が属する繊維製品製造業に代表されるように
「構造不況業種に属する」とつけますと....

特に厳しかったこのデフレの15年を思い返すと
あまりに辛いことが多かったので麻痺してしまうほど。

ひとつ間違えば、たちまち会社をおかしくして
お取引先や、社員のみなさまにご迷惑をかけるのみならず、
個人的な財産も信用も全て失ってしまいます。

その恐怖が、すべてのベースにあるのです。

しかも、その全責任は経営者にある
と言われて当たり前。

そして、お取引先、社員はもちろん
時に厳しい銀行、マスメディアの応対にいたるまで
あらゆるステークホルダーを前に一人何役で
コミュニケーションを繰り返して
何か具体的なお役立ちをしなくてはなりません。

さらに、生き残るためには「変革」が不可欠ですが、
およそ「変革」ほど、経営者のみならず
組織にとって苦痛を伴うものはありません。

しかし、変革しなければ、会社がつぶれる

ただし、変革したら、社内外に軋轢が生まれる

だれでも、そのままの方がラクで心地よいのです。

時には、家族さえも敵に回すかもしれません。

いずれにせよ居心地が悪いこと、この上なし。

だとしたら、たとえ身内の非難を浴びても
前に進むしかない。


これこそが、庄山社長がおっしゃっている

「孤独」の意味であり、意義だと思います。


ただし....

だからこそ「面白い」と思う一瞬もあります。

一進一退を繰り返しながらも
少しずつ前に進んでいる実感、快感は、

やはり孤独な経営者だからこそ
いち早く体感できるものでしょう。


辛さと面白さは裏表なのです。

例えば、私がギャンブルや投機に興味がないのは
既に、本業で十分すぎるほどのリスクを取って
挑戦し続けることを強いられているからです。

言わば、毎日がスリルとサスペンスを味わいながらの
実戦ということになります。


これを「面白いこと」と感じるか
ただ 「つらいこと」と感じるかは
気質や性格、そして気の持ちようによるでしょう。


 ▼【明大生との毎週一問百答】「社長ならではの辛いこと」
 http://editors.keikai.topblog.jp/blog/g/10006018.html


久米 信行
久米繊維/Art T-galaxy.com
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