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2007年07月05日(木)更新

【明大生との毎週一問百答】「人生でもっとも大切にしていること」

<質問>

<質問>
みなさまに質問します。
人生で最も大切にしていることは、何ですか。

(明治大学商学部 森田幸恵さん)




【回答】

「ありがたく面白がる心」です。

幸か不幸か....

これまで、予想だにしないハプニングに
何度も何度も見舞われました。

その時々は、それこそ「まさか!」とか
「死ぬかと思った!」とも思いました。

今も「なぜ自分ばかりがこんな目に...」
と思う時があります。

これからも、きっと波乱万丈の人生が
待ち構えていることでしょう。

ところが最近になってようやく
だからこそ面白い人生なのだと
思えるようになりました。

昔、人生ゲームのようなファミコンソフトを
作っていたことがありますが、

もしも神さまがいたとして
プログラミングされた通りの人生だったら、
なんだかつまらなそうです。

あるいは成功哲学よろしく
自分が若い時にイメージしたとおりに
順風満帆の人生になったとしたら
それはそれで面白くなさそう。

やはり....

時には予想を超えるなにかが起きるから面白い。

何とかそれを切り抜けられたり
時にダメージを負ったりするから面白い。

次はなんとかと成功したり
前は上手くいったのに失敗するから面白い。

そんなチャンスやピンチが
放っておいても巡ってくるからありがたい。

平々凡々でリスクのない人生よりも
退屈しないからありがたい。
自分が磨かれそうでありがたい。

さらに....

年を重ねるうちに

そんなこんなの波乱万丈
スリル満点のドキドキハラハラがなくとも、

いつもと同じ空や雲を見ていたって、
身近な人のちょっとした一言を聞いたって
心が動いてドキドキハラハラするのもありがたい。


同じ道を並んで歩いていても
楽しそうな人ありがたいと思う人もいる
つまらなそうな人不平たらたら人もいる

だからちょっとしたコツ
「ありがたく面白がる心」がいると思うのです。


 ▼他の経営者会報ブロガーの回答はこちら
  http://editors.keikai.topblog.jp/blog/g/10005203.html


久米 信行
久米繊維/Art T-galaxy.com

2007年06月20日(水)更新

【明大生との毎週一問百答】学生時代に考えていた仕事のビジョン

<質問>

私は現在3年生で就活中なのですが、
働きたい仕事のビジョンがまったく見えません。
そこで、質問です。経営者のみなさまは、大学3年生の頃、
働くことについてどんなビジョンをお持ちでしたでしょうか。

(明治大学商学部3年 市野淳也さん)




【回答】

私は、中小企業経営者の長男として、幼い頃から、
後継者になる覚悟をしておりました。

ですから、幸か不幸か、
大学3年生の時に、働きたい仕事について
悩む経験はありませんでした。

しかし....まさに、その時に
人生を一変させる劇的なできごとが起きたのです。

大げさに言えば、大学3年になってやっと
「学ぶ楽しさ」「自分の頭で考える喜び」を知りました。

生涯の師と出会ったことで、
初めて頭と心を使いはじめたのです。

私は、高校受験で大学の付属校に入ったために、
要領よく先輩から試験のコピーをもらって
そこそこの点数をとってクリアする
「当世学生気質」が染み付いていました。

ところが、大学2年の時に間違ったコピーが出回ったため
その小手先のテクニックが裏目に出ました。

必修科目を落として、わずか1単位のために
留年してしまったのです。

いわば天罰が下って、
しかるべき挫折を味わったわけです。

しかし、今考えれば、これこそ「天の恵み」でした。

高校の時からの友人は、みな別の校舎に移り、
時間を持て余した私は、他学部の講義に出たり
図書館にこもっと本を読んだりしはじめました。

そして、生涯の恩師である平野 絢子先生に
出会ったのです。

平野先生は、二言目には
「今ほど大学で学ぶのに素晴らしい時はない」と語り
「活性化なさい」と繰り返しました。

かねてより地球環境問題などに怯えていたこともあって
半ば頭でっかちのペシミストになっていた私にとって、
先生の超人的ポジティブシンキングは刺激的でした。

また先生の生き様自体もイカしていました。

先生に私が出会ったのは、
時まさに中国で経済改革が始まった時で、
時に孤立していた先生の主張こそが正しいことが
少しずつ明らかになっていった時でした。

その後の中国経済の成長は
今やだれも疑うことはないでしょう。

自分の軸をぶらさず、主張を曲げずに
文化大革命の時の逆境を乗り切って
夢が形になっていくのを見届けていく。

仕事の中身はどうあれ、平野先生のように
独立自尊の精神でライフワークを完成させていくような
唯一無ニの生き方をしたい。

みなさんと同じ時代に
強く心に誓ったのでした。

還暦を過ぎてなお青春を感じさせる
心の若さに大いに影響を受けたのでしょう。

それからは、先生のゼミに入って、
良い意味で厳しく鍛えられました。

「あなたの言いたいことを一言で言うと」
「なぜ?」

この2つのフレーズで
私はいつも撃沈したのです。

つまり、暗記やコピーペーストで済ませていた
私の安易な頭脳を、動いているようで動いていなかった。

そのロボットのような頭脳を
先生は人間らしく再生してくれたのです。

もうお気づきでしょう。

今の私があるのも
平野先生のおかげです。

平野先生の大恩をお返しすべく
みなさんにも同じ言葉を
ブログ起業論で繰り返しているのです。

なぜなら自分だけの答えを
自分で見つけて欲しいからです。

その答えは誰も教えてはくれません。

結果、平凡なものになったとしても
自分の内なる声に従ったものであれば素晴らしい。
生涯続けられれば素晴らしい。

なにより、これからの人生が
みなさんが考えているよりも
はるかに楽しく有意義であることを
ブログ起業体験で直観して欲しいのです。


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2007年06月14日(木)更新

【明大生との毎週一問百答】「企業の過剰な利益追求」をどう考えるか

<質問>

企業が利益を追求することは当然と思いますが、昨今起きている企業不祥事を見ていると、
利益を過度に、あるいは容易に求める体質に原因があるように感じています。
みなさまは、企業の過剰な利益追求について、どう思われますか。

(明治大学商学部 名越蔵人さん)




【回答】

「買い手よし世間よし売り手よし」の三方よしを旨とする当ブログ起業論でありますが

心無い不祥事が多発していることで、受講生のみなさんが
「企業性悪説」に立ち「利益=必要悪」だと考えてしまっている
としたら悲しいことです。

逆に、みなさんが就職先を探したり、起業をする時には
ぜひ経営理念や創業精神に着目してください。

企業の利益を社会的な公益に一致させようとしている
素晴らしい企業の存在に気づくことでしょう。


■1 大原孫三郎「わしの眼は十年先が見える」
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わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯 (文庫)

私が尊敬する大先輩経営者のおひとりに
倉敷紡績中興の祖で、クラレ、中国銀行、大原美術館を創設した
大原孫三郎さんがいらっしゃいます。

CSR(企業の社会的責任)という言葉が昨今のはやり言葉ですが、
明治から昭和にかけて、既にこれだけのことを実践しています。

城山三郎さんの名著が文庫化されていますので
ぜひ読んでみてください。


■2 ジョンソン・エンド・ジョンソンの「わが信条」
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わが「ブログ起業論」生みの親である明治大学商学部の村田 潔教授
ビジネス情報倫理がご専門です。

ちょうど昨年の講義でも、同様の議論になった時、
村田先生が最も尊敬する「経営理念」を発表してくださいました。

それは、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「わが信条」です。
ぜひ、社史と合わせてご一読ください
http://www.jnj.co.jp/group/community/credo/index.html


■3 日本財団CANPAN-CSRプラスの意義
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私たちの講義に、ブログサービスを無償で提供してくださっている
日本財団CANPAN一サービスに、
CSRプラスがあります。

これは、東証一部上場企業を中心に、各企業の社会貢献活動の情報を公開し、
応援するためのネットサービスです。

このサービスは、いずれ、日本でも情報公開が進んで
社会的責任を果たしている企業だけを、市民が選び応援する時代が
来ることを見越したものです。

欧米では既にその兆しが現れているように
誠意あふれ、長期的視点で社会に貢献する企業だけが

 1.商品を買っていただける
 2.株式を持ち続けていただける
 3.社員になっていただける

.....時代になるのです。


■4 ネットで「見える化」すると下町のコミュニティのようになる
─────────────────────────────────

本業を中心として社会に貢献する地道な活動を、
ブログなどできっちり情報公開してお伝えし続けなければ、
選んでいただけなくなるのです。

私が育ったかつての下町コミュニティで、
作り手売り手買い手の顔がすべてみえて親しかったので
即ち情報がいきわたって「見える化」していたので
悪いことはできませんでした。

ネットが普及することで同じことが起きるはずです。

2ちゃんねるのお祭りやブログ炎上も
その序曲だと見て良いでしょう。

即ち、企業の長期的な存続を図り、そのための利益を確保するには
社会に役立つことをしなければならないわけです。


■5 結論
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ですから長い眼で見れば、利益を得る活動と社会貢献とは、
重なっていくことでしょう。

老舗は、そうやってこれまで生きてきましたし、
これからもそうやって生きていくはずです。



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2007年06月07日(木)更新

【明大生との毎週一問百答】「同規模の競合他社」が現れたらどうする

<質問>

もし、自社と全く同じような規模で全く同じような
事業内容の競合他社ができた場合、どうされますか。

(立教大学社会学部4年 内藤傑さん)




【回答】

魅力的な新市場を開拓したり、かつてない新商品をヒットさせたら、
見計らったかの用に、同じような規模....どころか、
もっと大きな競合相手が参入してくるのが「世の常」です。

最近では、10億ほどの売上規模であっても
商社を始めとする大企業が参入してくることも
珍しくはないのです。

仮に先行している部分があったとしても、
経営資源の物量の差はいかんともしがたく、
本気でがっぷり組んではひとたまりもないでしょう。

ですから、

1)戦わないでも済む方法を考えるか
2)勝てる場所で勝てる方法で戦うか

を考えるしかありません。

それは、具体的にどんな方法か....

次回の講義で、みなさんに質問して
一緒に考えてみましょう。


 ▼明大生との一問百答
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 ▼明治大学ブログ起業論
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2007年05月17日(木)更新

【明大生との毎週一問百答】「イレギュラーな人材」の新卒採用の是非

<質問>

私は大学に入る前に、正社員として3年間働いていました。
経営者として、私のようなイレギュラーな人材を「新卒」として採用
したい、と思われますか。
                 (明治大学商学部 和田亜梨紗さん)



【回答】

魅力的な人財であれば、新卒も中途も、年齢も性別も関係ありません。
それどころか、むしろ新卒よりも有利な点も多いのではないでしょうか?

先日、ある大手シンクタンクの方とお話をしましたら、
昨今、同社では、経験豊かな中途採用者しか採らないと
おっしゃっていました。

その理由は...

1)新卒だと、研修に時間がかかる
2)新卒だと、研修にコストがかかる
3)新卒だと、3ヶ月でやめてしまうかもしれない
4)新卒だと、業務実績や能力が図りづらい
5)新卒だと、業務適性がわからない

といったところです。

そのすべてに私が賛成できるわけではありませんが、
これが世の風潮の一断片であることは確かでしょう。

上記の理由で私が賛成できない点は、
それが、即戦力、即効性志向の短期的な発想に
偏っているように思えるからです。

やはり、経営理念に共感し、社風になじんだ人財を育てていく
長期的な視点が、企業の長期的な発展には不可欠でしょう。

しかし、そこにおいても、新卒に対して、
中途採用が不利という点ばかりではないでしょう。

上記の5つの美点に加えて

1)その企業の経営理念に心から共感する心
2)その企業の商品・サービスを敬愛する心
3)社風が異なる企業でもうまく馴染める心
4)自分が持つプラスαを会社に生かせる心
5)大好きな企業でライフワークを続ける心

があれば、新卒と中途の美点をあわせ持つどころか
大きく超える「魅力的な人財」になれるのですから。


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