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2014年02月24日(月)更新

​【カンボジア視察2】山本日本語教育センター



教室に入った瞬間、私たちは明るい笑顔とあいさつで迎えられました。生徒のみなさんは、22~23歳の方が多いとのことでしたが、まるで高校生のように元気で若々しく見えます。

山本日本語教育センターは、山本宗夫さんの志で、悲惨な内戦後の1996年に設立されました。これまで、カンボジアで日本語を学びたいという若者たちを無料で教育して、もうすぐ卒業生は500名になろうとしています。その卒業生の9割は、日本語ガイドや、ホテルや日系企業勤務など、日本語で生計を立てているそうです。

ラジオコマーシャルや高校内に掲載されたポスターなどを見て、毎年50名ほどが入学し、最初5ヶ月の予科、グループ経営の旅行代理店やゲストハウスでインターン2~3ヶ月×その後1年の本科を経て、卒業となります。

お会いした生徒のみなさんに聴きますと、日本で行きたいところは、圧倒的に東京が多く、中には北海道で雪が見たいという方もいらっしゃいました。日本のアニメやマンガが好きで、ドラえもんや、名探偵コナンが人気、ご当地の景色に宮崎駿監督がインスパイアされた「天空の城ラピュタ」も、もちろん見ているのです。



学校の廊下には、学生たちが作った川柳が飾られていました。これが実に面白く、当世カンボジア若者気質を表しているのです。

 けしょう好き でも使い方 わかりません
 前大へん 今がんばって 後で楽
 顔を見て せいかくがいいか わかりません
 前びじん けっこんしたら おばさんに
 男せいの あいはずっとじゃ ありません
 女せいなら きれいすぎると あぶないね

どうです?面白いでしょう
画像を拡大して楽しんでみてください!



山本 宗夫さんは、もともと旅行代理店の経営者でした。カンボジアの内戦の後、日本語を話せる現地の人がほとんどいないことから、日本語学校を作りました。そして、現地では、旅行代理店、ゲストハウス、土産物店、マッサージセンター、トゥクトゥク(バイクのタクシー)などを経営して、卒業生たちの雇用先も作りました。

昨年は、年の半分をカンボジアで過ごし、ゲストハウスや社員寮の隣りに住んでいます。そして、その隣りは...なんと、社員向けの託児所なのです。カンボジアはご主人が働いていないケースなども多いそうで、子育てで働けない女性社員のために用意しているそうです。

山本さんは80歳を過ぎていますが、元気の秘密は、きっとこのかわいいカンボジアの社員の子供たち、まるでお孫さんたちに囲まれているからでしょう。

この子たちの笑顔に、カンボジアと日本の未来が象徴されているのです。

お母さんたちの背中を見て、山本校長の笑顔を見て、日本語ガイドになりたい、日系企業で働きたい、そんな若者たちが育っていくと思うのです。



社会貢献支援財団の表彰推薦文にもあります通り、山本校長は、旅行代理店や学校運営の後継者を、卒業生の現地スタッフたちに任せると決断されました。

山本学校の後継者は、若き事務長 ボッ・ダピセイさんです。ダピセイさんは、現在、カンボジアの若者たちが「未来の夢を持てずに短期志向になっている」ことを憂いて、夢を持てる人たちを育てたいとのこと。お忙しく働かれていますが、もし時間があったら、友人と遺跡めぐりをして朝陽や夕陽を見るそうです。ふるさとの美しさを愛するダピセイさんのことですから、きっと素晴らしい日本語ガイドを育ててくださるでしょう。

山本さんに「お子さんを後継者にしないのですか?」と質問しますと「父親と違う仕事をしなさい」という教育方針だったとのこと。

苦労して育て上げた会社も学校も、ご子息に譲らず、現地で育てた若いスタッフに任せるという山本宗夫さんの英断に感服したのです。


◎山本日本語教育センター(カンボジア) 
1996 年にカンボジアのシェムリアップで、長い内戦により疲弊した同国の復興に役立てるため、観光に訪れる日本人相手に仕事が出来てカンボジア人の経済的自立が図れるように、同国と日本の友好を深める目的で、
代表者の山本さんが私費を投じて設立した日本語教育センター。約 60 名の学生が学んでおり、卒業生は JHC(カンボジア現地手配専門会社)のツアーガイドやホテルマンになるなど、培った日本語を活かしている。同
センターは「山本学校」と呼ばれ親しまれており、現在は山本さんも運営に携っているが、ゆくゆくは現地に運営を任せたいと考えている。 

▼社会貢献支援財団webより
http://www.fesco.or.jp/doc/winner_h25_profile_4.pdf

▼山本さんの旅行会社
http://www.angkor-tour.com/index.html

▼山本日本語学校
http://www.angkor-tour.com/jhc/yamamoto/index.html

▼山本日本語学校を紹介したブログ
http://hanako61.at.webry.info/201307/article_6.html

2014年02月21日(金)更新

​【カンボジア視察1】大武健一郎先生と社会貢献支援財団の表彰者に会いに行く

深夜、羽田を飛び立ち、社会貢献支援財団 理事としてのミッションで、カンボジアへ。社会貢献者として表彰された山本日本語学校・だるま愛育園の孤児院などを訪ねます。ガイドは、現地の社会起業家を3回にわたり訪ねている財団事務局の池田直美さんです。



▼社会貢献支援財団
http://www.fesco.or.jp/

機中は、私にとって夢のような個人授業の場でした。今回の社会貢献支援財団のカンボジア視察は、大武健一郎先生と同行だったのです。深夜の搭乗から午前2時過ぎまで、そして早朝から...ずっとお隣で深いお話を聴かせていただけたのです。



▼大武健一郎先生のプロフィール
https://www.attax.co.jp/company/adviser/otake.html

東京都生まれ。1970年、東京大学卒業後、旧大蔵省に入り、主税局長、国税庁長官を歴任。35年間勤務のうち20年間を税に携わる。税制の企画立案と税務行政の両方を担当したという点で、他には例をみない税の専門家。また、日米租税条約を32年ぶりに全面改正したアメリカとのタフなネゴはあまりにも有名。現在、大塚ホールディングス(株)代表取締役副会長、TKC全国会筆頭副会長、関西大学経営審議会委員兼客員教授等を務める。日本の産業界の実体、経済政策にくわしいエコノミストとして評価が高い。現在はベトナムのハノイに日本語で複式簿記を普及するベトナム簿記普及推進協議会(NPO法人)を立ち上げ、ボランティア活動を行なっている。日本全国、最近はアジアをはじめ世界を飛びまわり、450カ所以上のものづくりの現場や工場を訪ね、経営者や従業員の人たちとの情報交換を趣味としている。大の日本酒好きで、国際会議などで「ジャパニーズ、サケ、チアーズ」と書いた法被を着て日本文化をPRする茶目っ気もある。日本酒造組合中央会青年協議会から「酒サムライ」の称号を授与されている

この大武先生のプロフィールを目にして、緊張しない人はいないでしょう。なにせ旧大蔵省主税局長→国税庁長官だった超エリートなのです。しかし私の印象は三たび変わりました。

 1「大変!」という著書を拝読。後半の大胆な提言の数々に驚く
 2 お会いした瞬間の笑顔。いつでも腰が低くて威張らないお人柄
 3 一貫してライフワーク追究、省益より国益、アジア益、世界益を



大武健一郎先生の著者一覧

年の1/3は世界を飛び回っているという大武先生。私もこれからの目標がまたひとつ増えました。まずは墨田区をご案内しないと。

さて、これからのカンボジア視察が楽しみです。

2014年02月07日(金)更新

【書評】わが師 橘川幸夫さんの新著「森を見る力」

わが師 橘川幸夫さんの新著森を見る力を読んだ。



第一印象から最後まで、ただただ「かっけえええ」
なんて男前な文章なんだろう。

「こんな本が将来書きたい」と、橘川さんにメールしたら、
「正しいことよりも、かっこいいことが大事w」

そんな返信メールが返って来た。

やられた。

なぜ、橘川さんの言葉が「かっこいいのか」
そして「力がある」のか考えてみた。

1 本を読まない=誰かに影響されない
2 現場で体感したことだけ自分の言葉にする
3 意見に保険をかけないで、言い切る
4 右でも左でも上でも下でもない自分主義
5 自分が信じた仲間の言葉だけを信じる
6 波瀾万丈の人生と、百花繚乱の交遊関係
7 伝えるべき人に伝えたいという情熱と狂気


学生時代に、ドラッカーの「新しい現実」
読んだ時のような明解さ。爽快さ。

もはや正しいかどうかさえ関係ない。

未来を見通すヴィジョナリーと心が通う喜び。
それこそがすべてである。

初めて橘川さんに出会った時に勧められた本
「企画書」を読んだ時を思い出した。

「この本には、自分がやりたいこと
 自分がやるべきことが、既に全部書いてある」


そう感じて以来、橘川さんに押しかけ弟子のように、
一方的に慕ってついてきた。

その直観は間違いではなかった。


森を見る力を読んで、そう感じた。

最初は、心に刺さる言葉があったページに、
付箋を貼っていったのだが、途中でやめた。

ほとんど全部のページに
貼ることになってしまったからだ。




また、先日の「森を見る力」出版記念パーティで、
橘川さんの弟子のひとりが面白いことを言っていた。

この本の、どのページを開いても、
どんなに違うテーマであっても、話がつながると。


だから、この書評では、あえて
「かっこいい言葉」を引用するのも、
内容に触れるのもやめるとしよう。

もし、この本で何かを感じたら、
橘川さんに会うといい。

毎月のように会っていても、橘川さんは、
毎回、新しい知らないことを教えてくれる。
新しい人を紹介してくれる。

もちろん、私だって、人よりも新しいことに詳しいし、
多種多彩なキーパーソンに出会っているつもりだ。

それでも橘川さんには、かなわない。

そんな師匠がいる幸せ。
そんな師匠の本に驚き、悔しがる幸せ。


こうした幸せを知らないで、
人生を終える人も多いのだろう。

私は幸せ者である。


森を見る力
 http://www.amazon.co.jp/dp/4794968388

2014年02月07日(金)更新

2/13 ISFnetグループFDA「哲学の会」で講師を務めます



尊敬する社会起業家 ISFnetの渡邉 幸義さん
FDAの成澤 俊輔さんが毎月開催している
哲学の会」で講師をつとめます。

【哲学の会とは?】


2011年11月から障がい者・引きこもり・外国人・高齢者・シニアだけでなく
ガン患者・難民などを加えた20大雇
用を掲げるISFnetグループ。

雇用創造という大義名分のもと、その価値観を発信するための月例勉強会。
これまでにのべ500名以上にご参加いただき、そのゲストも各界から駆けつけ
ています。例えばベストセラー作家の和田裕美様法政大学の坂本光司教授、
元リッツカールトンホテル、日本支社長の高野登様などが名を連ねます。


私がお話するテーマは、

「日本でこそ作り得るTシャツを世界へ。未来の子供たちへ
 ~逆境に負けずピンで生きる勇気。すぐやる×やり抜く×認められる技術」


 前半は、久米繊維のCSR×ES経営のお話
 後半は、逆境に負けないで、元気と勇気が出るお話です。

【日時】
 2014年2月13日(木) 19:00~21:00 (18:30開場)

【場所】 株式会社アイエスエフネット サポートトレーニングセンター
     東京都港区赤坂7-1-16 日本生命赤坂第二ビル 2階 (予定)
     ※銀座線・半蔵門線・大江戸線の青山一丁目駅
      赤坂郵便局方面出口から徒歩7分です。

【定員】 70名
 ※先着順ですのでお早めにお申込みください

【参加費】 FDA会員、学生の方は、1,000円
      非会員の方は、2,000円 (当日受付にてお支払下さい)

      ※FDAの就労支援費用として、活用させていただきます。

 

 会員以外の方もご参加できるそうですので
 ぜひご参加ください。


 http://www.fda.jp/index.php/news/archives/85
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