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2007年06月20日(水)更新

【明大生との毎週一問百答】学生時代に考えていた仕事のビジョン

<質問>

私は現在3年生で就活中なのですが、
働きたい仕事のビジョンがまったく見えません。
そこで、質問です。経営者のみなさまは、大学3年生の頃、
働くことについてどんなビジョンをお持ちでしたでしょうか。

(明治大学商学部3年 市野淳也さん)




【回答】

私は、中小企業経営者の長男として、幼い頃から、
後継者になる覚悟をしておりました。

ですから、幸か不幸か、
大学3年生の時に、働きたい仕事について
悩む経験はありませんでした。

しかし....まさに、その時に
人生を一変させる劇的なできごとが起きたのです。

大げさに言えば、大学3年になってやっと
「学ぶ楽しさ」「自分の頭で考える喜び」を知りました。

生涯の師と出会ったことで、
初めて頭と心を使いはじめたのです。

私は、高校受験で大学の付属校に入ったために、
要領よく先輩から試験のコピーをもらって
そこそこの点数をとってクリアする
「当世学生気質」が染み付いていました。

ところが、大学2年の時に間違ったコピーが出回ったため
その小手先のテクニックが裏目に出ました。

必修科目を落として、わずか1単位のために
留年してしまったのです。

いわば天罰が下って、
しかるべき挫折を味わったわけです。

しかし、今考えれば、これこそ「天の恵み」でした。

高校の時からの友人は、みな別の校舎に移り、
時間を持て余した私は、他学部の講義に出たり
図書館にこもっと本を読んだりしはじめました。

そして、生涯の恩師である平野 絢子先生に
出会ったのです。

平野先生は、二言目には
「今ほど大学で学ぶのに素晴らしい時はない」と語り
「活性化なさい」と繰り返しました。

かねてより地球環境問題などに怯えていたこともあって
半ば頭でっかちのペシミストになっていた私にとって、
先生の超人的ポジティブシンキングは刺激的でした。

また先生の生き様自体もイカしていました。

先生に私が出会ったのは、
時まさに中国で経済改革が始まった時で、
時に孤立していた先生の主張こそが正しいことが
少しずつ明らかになっていった時でした。

その後の中国経済の成長は
今やだれも疑うことはないでしょう。

自分の軸をぶらさず、主張を曲げずに
文化大革命の時の逆境を乗り切って
夢が形になっていくのを見届けていく。

仕事の中身はどうあれ、平野先生のように
独立自尊の精神でライフワークを完成させていくような
唯一無ニの生き方をしたい。

みなさんと同じ時代に
強く心に誓ったのでした。

還暦を過ぎてなお青春を感じさせる
心の若さに大いに影響を受けたのでしょう。

それからは、先生のゼミに入って、
良い意味で厳しく鍛えられました。

「あなたの言いたいことを一言で言うと」
「なぜ?」

この2つのフレーズで
私はいつも撃沈したのです。

つまり、暗記やコピーペーストで済ませていた
私の安易な頭脳を、動いているようで動いていなかった。

そのロボットのような頭脳を
先生は人間らしく再生してくれたのです。

もうお気づきでしょう。

今の私があるのも
平野先生のおかげです。

平野先生の大恩をお返しすべく
みなさんにも同じ言葉を
ブログ起業論で繰り返しているのです。

なぜなら自分だけの答えを
自分で見つけて欲しいからです。

その答えは誰も教えてはくれません。

結果、平凡なものになったとしても
自分の内なる声に従ったものであれば素晴らしい。
生涯続けられれば素晴らしい。

なにより、これからの人生が
みなさんが考えているよりも
はるかに楽しく有意義であることを
ブログ起業体験で直観して欲しいのです。


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